お店について教えてください。
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原点は真のプロフェッショナルバリスタを育てたい、バリスタという職業を確立したいという思いです。私たちはそのためにトレーニング施設「バリスタ トレーニング ラボ」を設立。これまでに300人以上が受講し、仕事や開業に役立てています。私たちが考えるプロフェッショナルバリスタ像は、豆や焙煎、抽出やマシンに関する知識・技術があるのはもちろん、お客様としっかり話してお好みを把握し、最適なコーヒーをお薦めできるバリスタ。コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を身につけることがとても重要だと考えています。
そうした考えをお店として具現化したのが「アンリミテッドコーヒーバー 東京」です。入店されたお客様はバリスタと話して「こんなコーヒーが味わいたい」など好みを伝え、バリスタからお薦めや説明を聞いてオーダーを決めていただきます。そうすることでお客様の満足度をいっそう高めることができます。質の高いスペシャルティコーヒーをお出しするとともに、コーヒーカクテルやフードにも徹底的にこだわり、これまで味わったことのないようなコーヒー体験を提供します。
お客様の層と力を入れている点についてお聞かせください。
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東京スカイツリーや浅草が近いので日本中、世界中からお客様がいらっしゃいます。一方、足繁く通っていただいているお客様も多いですね。いいものを味わいたい、いい体験をしたいという思いで来店されています。平日は観光や仕事帰りのお客様、休日はファミリー層が多いですね。
私たちは「アンミリテッドコーヒーロースターズ」という焙煎所を持ち、スペシャルティコーヒーの生豆の選定と焙煎にも力を入れています。通常はバリスタと焙煎家は別々ですが、生豆の選定、焙煎、抽出と一貫して行うことで、確実な品質のコントロールやお客様の好みや要望への素早い対応が可能になります。また、競技会「ジャパン コーヒー イン グッド スピリッツ チャンピオンシップ」(JCIGSC)で上位入賞したバリスタがつくるコーヒーカクテルも好評をいただいています。コーヒーとお酒の無限の組み合わせにより、メニューの幅やお客様層が広がり、経営上も大きなメリットが生まれています。
人気のコーヒーメニュー、フードメニューを教えてください。
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冬はカプチーノ、カフェラテ、夏はアイスカフェラテや水出しコーヒーの人気が高いですね。シグネチャービバレッジ(オリジナルドリンク)のコールドブリュートニック オレンジスライス添えも人気があります。 フードではエスプレッソを使った自家製キーマカレーライスと自家製マスタードジンジャーチキンライスプレートが2大人気です。コーヒーカクテルではエスプレッソマティーニやアイリッシュコーヒー、コールドブリュージントニックが人気です。
お使いのマシンについて教えてください。
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LA MARZOCCO(ラ・マルゾッコ) strada カスタムモデル(2連)を使っています。作業スペースが広くとても使いやすいですね。カップトレイが広く、抽出量をチェックするスケール(秤)が置けるのも便利です。左右のグループに一つずつコーヒーボイラーが入っているので豆ごとに最適の温度で抽出できること、バリスタが自分で温度や圧力を設定できること、マシンの高さが低くお客様とコミュニケーションしやすいことも魅力。店の色に合わせてカスタマイズが可能で、当店でもポルタフィルターのグリップや抽出パドル(レバー)などの色や素材を変えています。ラッキーコーヒーマシンの担当者の方には様々な相談に乗っていただき、迅速に対応していただけるので安心して使うことができます。
MAHLKONIG(マールクーニック) EK-43はエスプレッソにもドリップにも対応し、1台のグラインダーで様々な豆を最適な粒度に挽けることが魅力です。ホットウォーターディスペンサーBUNN H5X エレメント ステンレスがあれば、いつでもすぐにお湯が使えるのでドリップを行うなら必需品ですね。湯温が下がらずとても安定しています。
マシンを使う際、注意していることはありますか?
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メンテナンスです。グループのガスケットとディフューザースクリーンを3か月ごとに交換し、営業時間中最低6回はディフューザースクリーンを洗浄します。マシンはバリスタの相棒であり味に直結するので、構造を学び、簡単なメンテナンスなら自分でできるようになりたいですね。
開業を考えている方にアドバイスをお願いします。
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勉強し続けることです。数年前の常識が今では通用しません。たとえば生豆のクオリティの向上、様々な抽出器具の開発など、トレンドは常に変化しています。同じやり方を続けていると危険です。バリスタを目指す方はセミナーに出たり、マシンの会社の担当者と話すなど、常に最新の情報を取り入れ、それを自分なりに咀嚼して仕事に活かすことが大切です。また、競技会に参加することで自分に何が足りないかが分かり、技術の向上を図ることができます。横のつながりができて営業に役立ち、最新の情報も得られるので、ぜひ積極的にチャレンジして欲しいですね。
今後の目標を教えてください。
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プロフェッショナルバリスタの見本となり、「バリスタはここまでやるのか」「バリスタという仕事は素晴らしい」と思っていただけるような店にしたい。店舗を増やすのではなく、生豆の選定、焙煎、お客様とのコミュニケーションとプレゼンテーション、接客、一つひとつのメニューのレベルをもっともっと高めたい。そしてコーヒーカクテルでは味も種類も世界でトップと言われる店にしたい。日本中、世界中のお客様に最高のコーヒー体験を提供し続けたいと思っています。