お店について教えてください
まず「ONIBUS」という名前についてですが、ポルトガル語で「公共バス」「万人の為に」という語源を持つ言葉です。バス停からバス停へと人を繋いでいく日常。そんなバスのように人と人を繋ぐという思いを込めて、オーナーの坂尾篤史氏がONIBUS COFFEEと名付けました。ONIBUS COFFEEが掲げる三本柱は「サステナビリティ、ホスピタリティ、クオリティ」。那須店ではその中でも特に「サステナビリティ」に注力している店舗です。同店が入っている施設「GOODNEWS」では、牛乳から出るホエイを再利用したお菓子を販売するなどサステナビリティに注力しています。ONIBUS COFFEEはその理念に共感し、那須店のオープンを決めました。
「サステナビリティ」の取り組みとして、どのようなことをされていますか
まず店内の床はコーヒーカスを再利用し、椅子は倒木した木を伐り出して再利用しています(ONIBUS COFFEEの常連のお客様であるトラフ建築設計事務所のデザインのもと、大阪/ふくい工房様に製作をお願いしました。こういった人と人とのつながりもONIBUS COFFEEの特長だと感じています)。ゴミの削減として、販売しているコーヒー豆の袋は分解(コンポスト)可能な袋を採用しています。ストローはテイクアウト用にサトウキビの搾りかすをアップサイクルした物を。また、店内を利用していただく際はステンレスのストローをご利用いただいています。コーヒーカスは施設内でコンポストし、ストローも近隣の牧場での分解ができないか実験しています。
お客様の層はいかがですか
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観光地という立地に加え、施設内がとても広々としていて気持ちのよい空間なので、ファミリー層やペット連れのお客様がとても多いです。木々や自然等の優しいイメージがついているのか妊婦のお客様がとても多く、温かいラテやデカフェのエスプレッソドリンクをオーダーしてくださいます。テイクアウトの需要も高く、ドリンクを片手に施設内の散策を楽しまれています。散策には施設内で使えるリユースカップのご利用も推奨しています。
コーヒードリンクのこだわりを教えてください。
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エスプレッソメニューに強いこだわりを持っています。コーヒー豆は同じでも焙煎を行う日や焙煎温度で味は全く異なるので、店舗スタッフ全員で毎日味のチェックを行っています。ドリップコーヒーに関してもお客様に常に最高のクオリティのものをお出しするため、グラインダーの挽き目を日々調節するなど、すべてのドリンクにこだわりを尽くしています。ONIBUS COFFEEのコーヒーの特長は、フレーバーの明るさやクリーンさを追求した浅煎りの豆を使用したエスプレッソです。しかし那須店がオープンした直後の体感として「コーヒーは苦さを楽しむもの」というイメージを持ち、浅煎りのコーヒーに驚かれるお客様が非常に多いと感じました。
そのためコーヒーの試飲やサンプルを豊富に用意し、ONIBUS COFFEEの味にご納得いただいてコーヒーを楽しんでいただけるよう工夫しています。那須店はONIBUS COFFEEが提供するコーヒーの特長を沢山のお客様に知っていただけるよう、窓口的な役割を意識しています
人気のドリンクやフードメニューについて教えてください。
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エスプレッソドリンクはラテがおすすめです。華やかで豊かなフレーバーのエスプレッソに、とろりとしたスチームミルクがマッチしています。デザートはバナナブレッドが特に人気です。バナナブレッドにエスプレッソアイスを添え、ソースをかけてご提供しています。アイスクリームは、KIKI NATURAL ICECREAMさんのクラフトアイスを使用するなど、すべての材料にこだわっています。
お使いのエスプレッソマシンについて教えてください。
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那須店ではla marzoccoの「Linea PB AUTO BREW RATIO」 を採用しています。連続でエスプレッソのオーダーが入った際、何杯もショットを落としながらミルクをスチームしていますが、デュアルボイラーのため常に安定してハイクオリティのドリンクを出すことができています。カラーについては、店舗内のイメージに合わせてマシンを白くカスタムしました。ONIBUS COFFEEの他店舗に通ってくださっているお客様やマシンに詳しいお客様が来店された際、よくお褒めの言葉をいただきます。
MAHLKONIGのEK43はドリップ用の豆とデカフェの豆を挽く際に利用しています。ドリップ用の豆を挽いた後、すぐにデカフェに切り替えられるところが素晴らしいと感じています。粒度のブレも少なく、日々のメンテナンスもあまり難しくないので重宝しています。
今後の目標について教えてください。
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より一層サステナブル活動に注力し、ゴミの削減を推進したいと考えています。カップをコンポストできるものにするなど店内でできる取り組みを計画しています。また、現時点では観光地でオープンしたため観光客のお客様がとても多いですが、地域に根差した店舗にするため近隣の方にもお越しいただき、人と人とのつながりを増やしたいと考えています。ONIBUS COFFEEが掲げる三本柱である“サステナビリティ、ホスピタリティ、クオリティ”を、那須店らしい方法で実現させることが今後の目標です。